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女将の内緒話63 修験道の道を探しに

私が大切にしている本に「日光修験三峯五禅頂の道」という本があります。
私が通った高校の大先輩である池田正夫氏が6年の歳月をかけて日光の山中を踏査して書かれた修験道の道を巡る本です。
奥日光にも夏の間に巡る「夏峯」といわれる修験の道があり、その道程で宿泊地とする場所「宿」が山奥にひっそりと存在しています。
時代は古いものから比較的新しいものまでありますが、仏像やお堂、護摩壇などが残っている場所もいくつかあるのです。

修験道の道01

以前から行きたいと思っていましたが、場所がわかりづらいことがあり、なかなか訪ねることができませんでした。
最近、ビジターセンターでその宿に行くツアーをしているので、早速、行き方を事前に教えていただき、お休みの日の午後の時間を使って出かけてみました。林道から近くてわかりやすそうな「大多和宿」です。
ここは裏男体林道の男体山側に少し入ったところにあります。
現在、裏男体林道が通行止めなので、梵字飯場跡に車を置いて出発です。

修験道の道02

1時間半ほど林道を歩き、教えていただいた入り口から藪の中に入っていきます。 よく見ると赤いテープが付いた木がいくつかあり、不明瞭ではありますが、踏み後も少しはあるようです。
10分も歩かないうちに大多和宿を見つけることが出来ました。
平地の真ん中に護摩壇があり、平地の端には2体の不動明王、1体の地蔵菩薩、そして金剛堂が護摩壇を向いて安置されています。

先日降った雪がうっすらと残り、落葉した木々の間から差し込む午後の光が不思議な安堵感をもたらしています。
修験道が最も盛んだった室町時代には小さな建物があったということ。
沢山の修験者がこの地で休息をとり、祈り、次の宿へと険しい山道を歩いて行ったのですね。
今はこの男体山の懐で、地蔵菩薩様も、不動明王様も、何を見て、何を待っているのでしょうか。

修験道の道03

もうすぐ深い雪に閉ざされる宿を後にするとき、何故か後ろ髪を引かれるようで、何度も後ろを振り返ってしまいました。 またきっと来ます、と語りかけて急に寒さが増してきた裏男体林道を下った山歩きでした。

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