第27回 森の生き物とスノーシューの話

1月に入って奥日光は一面の銀世界になりました。前日にふわふわの雪が降った平日の午後、1年ぶりにスノーシューを持って、森に散歩に出かけました。

本日の散歩コースは「金精の森コース」です。ここは金精岳に向かって沢沿いに緩やかに登るコースで、湯元温泉で作っているコースの中では一番好きなコースです。赤いリボンが目印になっていて、これを辿ると安全に帰って来られます。

平日だったので、私の前に歩いたのは2人だけ。

静かな森の中は人の気配がなく、本当だったら心細いのかもしれませんが、不思議な安心感と心地よさがあって、開放されるような気持ちになります。

この日は雪が降ったすぐ後のせいか、森に棲む動物たちの足跡をいっぱい見ることができました。テン、イタチ、ウサギ、キツネ、シカ。その種類の多さと、いたる所にできている足跡を見ると、私たちの見ていない所で縦横無尽に走り回っている小動物たちが目に浮かんでくるようです。

ウサギの足跡は逆三角形です
ウサギの足跡は逆三角形です
森に続く足跡
森に続く足跡

困った物も発見しました。シカの食害で樹皮を剥かれた木々が沢山あることです。温暖化の影響などで増え続けるシカの被害は樹木や下草を枯らすだけではなく、樹木が枯れることで鳥がいなくなり、天敵がいなくなって、虫が異常発生したり、本当に恐ろしいことです。虫に食い荒らされて、紅葉でもないのに葉っぱを落としてしまう樹木を見ると、悲しくなってしまいます。

シカの食害 シカの食害

シカも生きる為に食べなくてはいけませんから、これは私たちが本気で取り組まなくてはならない問題だと改めて思いました。

2時間半の雪の上のお散歩は、有意義な時間でした。皆様も冬に奥日光にいらした時は、是非、雪の上を歩いてみてください。