第68回 朝ドラ「らんまん」と植物園

私が幼稚園生だったころ、お弁当を持って出かける遠足の定番(かなり近くですが)は日光植物園でした。つつじや石楠花がたくさん咲いていて、芝生の上でお弁当を食べたことをぼんやりと覚えています。
そして50年の時を経て、久方ぶりに植物園にお弁当を持って行ってみました。

なぜ急に思いついたかというと、登山が趣味になってから高山植物が好きすぎて、この時期でも高山植物がみられる場所が近くにあったではないかと気が付いて、天気の良いお休みに一人で行ってみたわけです。

ここは東京大学小石川植物園の分園で、現在NHKの朝ドラ「らんまん」の主人公のモデル、牧野富太郎氏が小石川植物園に在籍していたことから、特別展も開催されていたりして、盛り上がっているのです。

日光植物園のリーフレット〔牧野富太郎と小石川植物園〕

時期が少し早かったので咲いている花は少なめでしたが、こんなに広かったかしらと思うくらい、隅々まで歩くと時間がかかり、お隣に田母沢御用邸があることから、天皇家との結びつきがあったり、御用邸の防空壕の出口があったり、全く知らなかった日光の歴史がありました。もちろん花や樹木の種類が膨大で、花の盛りにもう一度来てみたいと思える場所でした。

また、特別展では牧野氏の植物のスケッチが展示されていて、その美しさと緻密さに心を奪われました。植物への愛に満ち溢れているのです。
毎日仕事をしながら何気に見ている朝ドラを、今では本気で見るようになってしまいました。

日光植物園

これからの季節、奥日光を彩る代表ともいえる花、トウゴクミツバの名付け親は牧野氏なんですよ。嬉しいですよね。

「らんまん」のファンの方も、お花好きの方も、足を運んでください。女将、熱烈お勧めです。