第56回 勝道上人と紫雲荘の話
日光開山の祖、勝道上人の命日にあたる4月1日、上人の霊を祀っている開山堂で毎年開山会法要が行われます。
今年は初めて法要を見に(招待状がないとお堂の中には入れないので)行きました。
紫雲荘は勝道上人と、このようなことを言うのも恐れ多いのですが、不思議なご縁があります。まず、父の命日が勝道上人と同じ4月1日ということ。
勝道上人が大蛇の助けを借り、大谷川を渡って初めて結んだ草庵が「紫雲立寺」今の「四本龍寺」で、勝道上人が礼拝していると、紫の四雲がたなびいた紫雲石があります。
当館の紫雲という名前はここからきています。
立松和平さんの「日光」という本に勝道上人が日光を開山するまでのことが書いてあるのですが、この本を読んですっかり感銘を受けて、絶対に法要に行かなくては、と思った次第です。
当日は小雨が降る生憎のお天気でしたが、仏岩を背にし、ろうそくの光に照らされた薄暗い開山堂に沢山の僧侶の読経の声が響き、なんとも荘厳な雰囲気でした。
父のお命日でしたから、もちろんお墓参りにも行きましたけれども、なにかとてもいいお命日になったなと、心が洗われた一日でした。